レボリューション・イン・ザ・バレー ―開発者が語るMacintosh誕生の舞台裏
- 作者: Andy Hertzfeld,柴田文彦
- 出版社/メーカー: オライリージャパン
- 発売日: 2005/09/26
- メディア: 単行本
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初代 Mac が発売されたのは20年以上前の事である.話の舞台も1979年〜1985年なのだが,年と月が1話ごとに明記されているのに,その年にそんなことを?という感じで全く僕の時代感覚と合わない.…つまり新鮮な気持ちで物語を読めたということ.*1
Steve Jobsについてはその異常者っぷりが登場するごとに描かれている.彼は"現実歪曲空間"をもって,他人に何でも受け入れさせてしまう,というのがその代表例(p.24).しかし,そのことをネガティブにだけ記述してはいない.また著者は本の内容を公開するWebサイト*2の内容を先にSteveに見せているという.
Webサイト Folklore.org: The Original Macintoshと,この本は,初代Mac誕生の話を人々に,特に後生の人々に伝えるために書かれている.それはWebサイトの名前(folklore:民間(民族)伝承)からも明らかだ.
この本はアラン・ケイのセミナー in 1982 - Engineer as a Lifestyle @tenkomaのコメントでも書いたが,中盤の始め頃で技術的な話が出てくる部分がある.すぐにイメージできない技術用語がドバドバでてきて*3,正直ここはキツい.しかしそこをすぎると,MacのGUIが日々改良されていった様子や,Microsoftがでてきたりして,徐々に引き込まれていく.
開発者の多くは当時20〜30代であるが,その多くは既にAppleを辞めているらしい.著者やその最高の友達 Burrell Smith がAppleを辞めたときの話も書かれている.
初代 Mac が開発されたときの,開発者の様子,誰が何をしたか,喜び,楽しみ,怒り,悲しみ,著者の後悔などについて克明に書かれている.Macについて知らないからといって読むのを遠慮することはないだろう.
ちょっと肩の力を抜いて
- Burrell Smith のキャラが好きだなぁ.Folklore.org: The Original Macintoshの一枚目の写真の左下でキーボードを押さえながら頬杖をついているブロンドの人のこと.
- ちょっと Steve Jobs カッコ良すぎだ.Folklore.org: The Original Macintoshの3枚目(一番下)の左側とか.
- あと何か印象深いことを思いついたら追加しようかな