- 作者: 本田由紀,内藤朝雄,後藤和智
- 出版社/メーカー: 光文社
- 発売日: 2006/01/17
- メディア: 新書
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一部では「ニート」言説が若年雇用問題を見誤らせ,有効な対策を遅らせていることを指摘.必要な支援は何かを後半で考察.三部のなかでこれが一番興味深く,面白く読めた.
二部は「ニート」とあんまり関係なくて,青少年ネガティブキャンペーン一般の構造について.最近
あまりにも痛ましい事件が多すぎる。と書いて炎上したブログエントリーがありましたが(参考:404 Blog Not Found:あまりにも痛ましい現状認識が多すぎる)そういった現実に即しないイメージを青少年に対して抱いてしまう構造についての考察.なお安心社会から信頼社会へ―日本型システムの行方 (中公新書)でも
客観的データを一瞥すれば若者による殺人や凶悪犯罪が激減していることが明らかであるにもかかわらず,「キレやすい」若者に対する不安感が人々の間に蔓延している現状は、「日本型システム」に対する不信感の根強さを示唆するとともに、不信が生み出すプロパガンダがいかに強力な効果を生み出すかを示しており、肌寒い思いを感じざるをえません。とある.青少年犯罪についてのネットで僕が一番面白いと思っているテキストはhttp://mazzan.at.infoseek.co.jp/lesson2.htmlじゃないかな.ほかに面白いものや為になったページがあれば教えてください.個人的にこの現象を一言で言えば,新聞,テレビといったメディアは"不信"というコンテンツで消費者のアテンションをつなぎ止めるのに必死になっているって言うんでしょうかね.*1
三部は各種雑誌の記事や発表や書籍のとりまとめ.感想特になし.
*1:ときどきインターネットの光と闇とか語るけど光も闇も全然現実に即してない感がよくあるんですよね.